✅ レポートタイトル:Adobe Acrobat 脆弱性分析:CVE-2026-34621
✅ レポートの要約:
- 本レポートは、Adobe Acrobat*で確認された任意コード実行の脆弱性「CVE-2026-34621」の分析結果をまとめたものです。
* Adobe AcrobatはPDFの閲覧・編集・電子署名・共有・レビューなど多様な機能を提供するPDF処理アプリケーションです。
- 本脆弱性は、PDFドキュメントに埋め込まれたJavaScriptの処理中に発生するオブジェクトプロトタイプ属性の不適切な制御改変(プロトタイプ汚染)に起因します。
- 本脆弱性の影響を受けるバージョンは以下の通りです:
- Adobe Acrobat DC / Reader DC (Continuous) ≤ 26.001.21367
- Adobe Acrobat 2024 (Classic) ≤ 24.001.30356(Windows & macOS)
- 本脆弱性は、未知の脅威アクターによる実環境での悪用が確認されています。
- 初期悪用の正確な時点は特定されていませんが、VirusTotalにアップロードされた最古のサンプル(2025年11月28日登録)を基に、脆弱性を報告したEXPMONのHaifei Li氏は、少なくとも4か月以上にわたって継続している0-day/APTキャンペーンであると推定しています。
📌「CVE-2026-34621」に関する詳細
- CVE番号:CVE-2026-34621
- 公開日またはパッチ適用日:2026年04月11日
- 製品:Acrobat
- ベンダー:Adobe
- 脅威アクター:不明
- 影響を受けるバージョン:
- Adobe Acrobat DC / Reader DC (Continuous) ≤ 26.001.21367
- Adobe Acrobat 2024 (Classic) ≤ 24.001.30356
- 修正済みバージョン:
- Adobe Acrobat DC / Reader DC ≥ 26.001.21411
- Adobe Acrobat 2024 ≥ 24.001.30362(Windows)/ 24.001.30360(macOS)
- 報告者(アドバイザー):Haifei Li(EXPMON)
📌 脆弱性の原因は何ですか?
- AcrobatのJavaScript APIに含まれる一部の信頼伝播関数は、swConn識別子が暗黙のグローバル変数(var、let、constなどの関数スコープ宣言なし)として使用され、同一関数内でベアネームとして再読み込みされるように記述されています。
- このような状況で、脅威アクターがPDFに埋め込まれたJavaScriptを使用してObject.prototype.swConnにゲッター(対応するセッターなし)を設定してプロトタイプを汚染すると、暗黙のグローバルへの書き込みは静かにno-opとして処理されます。
- その後の読み込みは汚染されたプロトタイプチェーンをたどり、脅威アクターが仕込んだ呼び出し可能オブジェクトが信頼フレーム内で実行されます。
- 結果として、ドキュメントに含まれる任意のJavaScript関数を永続的なtrustedFunctionとして登録することが可能となり、通常の一般ユーザー権限ではアクセスできないAcrobatの特権APIを利用した任意のJavaScriptコードの実行が可能になります。
📌 本脆弱性はどのように悪用されますか?
- 外部の脅威アクターは、被害者に悪意のあるPDFを開かせ、ドキュメント内のJavaScriptだけで信頼フレームを取得することができます。
- これにより、以下を含むさまざまな悪意ある活動が可能となります:
1) 一般ユーザーが通常アクセスできないAcrobatの特権APIを通じた任意のファイル読み取りによるフィンガープリンティングや機密情報の収集・流出
2) C2サーバーとの通信
3) RSS機能を悪用したリモートJavaScriptペイロードのダウンロードと実行
📌 PoCコード
- S2W脅威インテリジェンスセンター「TALON」が開発したPoCテストコードの詳細については、以下のリンクよりお問い合わせください。
✅ 脅威検知の推奨事項と対策方法:
- 脆弱なバージョンのAcrobatをご使用の場合は、直ちに最新のパッチ適用済みバージョンにアップデートすることを推奨します。
- 即時のアップデートが困難な場合は、以下の緩和策を推奨します:
1) グループポリシーまたはAcrobatの設定により、PDFドキュメントに埋め込まれたJavaScriptの実行を無効化する
2) 信頼できないソースからのPDFの閲覧を控える
🧑💻 レポート作成者: S2W 「TALON」
👉 レポートに関するお問い合わせ: https://s2w.inc/ja/contact
*当該レポートは、S2Wのプラットフォームにて提供されます。詳細に関してはお問い合わせください。