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ScarCruftによる「ROKRAT」マルウェアの最近の変化
2026.02.06

✅ レポートタイトル:ScarCruftによる「ROKRAT」マルウェアの最近の変化



✅ レポートの要約:


- ScarCruftは、従来のLNKベースの攻撃チェーンから逸脱し、HWP文書内のOLEオブジェクトを利用したDropper/Loader構造により、「ROKRAT」を配布する新たな攻撃手法を使用しています。


- 本レポートで確認された3つの事例はいずれも、ROR13ベースのAPI解決方式、XORベースのペイロード復号、pCloudやYandexなど正規クラウドサービスをC2通信に悪用する点など、過去のScarCruftキャンペーンと同一のシグネチャ特性を示しています。


- DropperおよびDownloaderは、ファイル生成、実行環境チェック、メモリロードなどの機能差異は存在しますが、最終的には「ROKRAT」をメモリ上で直接実行するという共通の目的を持っています。



📌 「ROKRAT」マルウェアとは?


- 「ROKRAT」は、北朝鮮支援型APTグループであるScarCruftが使用するマルウェアであり、2017年に初めて確認されて以降、現在まで継続的に配布されています。


- ScarCruftはこれまで、LNKファイルを通じてBATスクリプトおよびシェルコードを生成・実行する攻撃チェーンを主に使用しており、S2W脅威インテリジェンスセンター「TALON」では、これらをそれぞれDROKLINK、DROKBATとして追跡してきました。


- しかし、最近確認された事例では、これら従来の手法とは異なり、Hangul(HWP)文書のOLEオブジェクト内にDropperおよびLoaderを埋め込み、「ROKRAT」を配布する新たなマルウェアが開発・使用されていることが確認されています。



📌 「ROKRAT」マルウェアの新たな配布手法は?


- 従来のLNKからBATスクリプト、シェルコードへと進行する攻撃チェーンとは異なり、本事例では新たに開発されたDropperおよびDownloader型マルウェアを使用し、シェルコードおよび「ROKRAT」ペイロードを配布する手法が確認されています。



ケース1


- 当該マルウェアはmpr.dllというファイル名を使用しており、初期段階では配布経路が特定されていませんでしたが、その後、HWP文書内のOLEオブジェクトとして埋め込まれ、正規アプリケーションへのDLLサイドロードにより実行されたことが確認されています。


- 本ケースでは、Dropperがリソース領域に含まれるペイロードをファイルとして生成し、Loaderが解析環境および感染状態を確認した後、シェルコードをメモリ上で実行します。



ケース2


- 本マルウェアもHWP文書内のOLEオブジェクトを通じて配布されたことが確認されており、Downloader型マルウェアとして、ファイル内にハードコードされたURLを通じて追加ペイロードをダウンロードおよび実行します。


- 悪意のあるDLLファイル名がcredui.dllであることから、ShellRunas.exeなどの正規プログラムを利用したDLLサイドロードにより実行された可能性が高いと判断されます。


- 本ケースでは、攻撃者が管理するDropboxリンクから、ステガノグラフィによって隠蔽されたシェルコードをダウンロードし、「ROKRAT」を配布します。



ケース3


- version.dllファイルの正確な実行および配布経路は特定されていませんが、マルウェアのPDBパスおよび公開情報に基づき、悪意のあるHWP文書内のOLEオブジェクトとして含まれ、正規プログラムへのサイドロードにより実行された可能性が高いと判断されます。


- 本ケースでは、DropperおよびLoaderが1バイトXORキーを用いて内部ペイロードを復元し、「ROKRAT」をメモリ上で直接実行します。

 


- これら3つの事例はいずれも、ROR13ベースのAPI解決方式および「ROKRAT」復号に0x29のXORキーを使用する共通点を有しています。


- また、ScarCruftの代表的な情報窃取型マルウェアである「ROKRAT」は、これらの事例においても、正規クラウドサービスをC2サーバとして悪用するという特徴を示しています。



📌 ScarCruftグループとの関連性


- APIハッシュアルゴリズム(ROR13ベース)、シェルコード段階で使用されるXORキー、ならびに「ROKRAT」内で使用されるpCloudおよびYandexのAPIトークン文字列は、過去のScarCruft攻撃キャンペーンで確認されたものと完全に一致しています。


- これらの要素から、本攻撃はScarCruftグループによる最新の攻撃ベクトルであり、既存の戦術・技術・手順(TTP)を進化させたものであると判断されます。



✅ 脅威検知の推奨事項と対策方法:


- 最近の攻撃で確認されたDropperおよびLoaderは、Hangul(HWP)文書内のOLEオブジェクトとして配布されているため、フィッシングメール経由で受信したHWPファイルを開く際には、特に注意が必要です。


- OLEオブジェクトを含む文書の実行は任意コード実行につながる可能性があるため、送信元が不明な文書は開かないこと、およびHWPファイル内の異常なOLEオブジェクトに対する検知を強化することが推奨されます。

 


🧑‍💻 レポート作成者: S2W 「TALON」


👉 レポートに関するお問い合わせ: https://s2w.inc/ja/contact


*当該レポートは、S2Wのプラットフォームにて提供されます。詳細に関してはお問い合わせください。


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